私たちの最大の栄光は、決して失敗しないことではなく、失敗するたびに立ち上がることにある

私たちの最大の栄光は、決して失敗しないことではなく、失敗するたびに立ち上がることにある

私に贈る言葉

私たちの最大の栄光は、決して失敗しないことではなく、失敗するたびに立ち上がることにある。
“Our greatest glory is not in never falling, but in rising every time we fall.”

オリバー・ゴールドスミス(作家・詩人)

いつ、どんな場面で発言されたか

この名言は、アイルランド出身の作家オリバー・ゴールドスミス(Oliver Goldsmith, 1728頃–1774)が1760年から1761年にかけてロンドンの雑誌『The Public Ledger』に連載し、1762年に書籍としてまとめた『The Citizen of the World(世界の市民)』の第7信(Letter VII)に登場します。

この作品は、ロンドンに滞在する架空の中国人哲学者「リエン・チ・アルタンギ」が東洋の友人に宛てた書簡という体裁を取り、異邦人の目を通して18世紀イギリス社会の風俗や価値観を鋭く風刺したものです。第7信の冒頭には「この手紙の大部分は、中国の哲学者・孔子の言葉の引用に過ぎないと思われる」という編者の注釈が付されており、このことが後世の誤帰属の原因となりました。つまり、ゴールドスミスが自ら紡いだ言葉が、あたかも孔子の格言であるかのように受け取られてしまったのです。

その後、時代を経るにつれてこの名言はラルフ・ウォルド・エマーソン、ネルソン・マンデラ、ヴィンス・ロンバルディなど、さまざまな著名人の言葉として引用されるようになりました。特にエマーソンへの帰属は1900年に出版された『Gems of Literature』という引用集で確認でき、以降インターネット上でも広く流布しています。しかし、名言研究サイト「Quote Investigator」の詳細な調査によれば、文献的に確認できる最古の出典はゴールドスミスの『世界の市民』であり、孔子やエマーソンの著作に対応する原文は見つかっていません。

言葉の意味

この名言が伝えているのは、「完璧であること」と「強くあること」は違う、というシンプルで深い真実です。

私たちはつい、「一度も失敗しない人」こそが立派だと思いがちです。失敗は恥ずかしいもの、隠すべきもの、できれば避けたいもの――そうした価値観は、学校でも職場でも根強く存在します。しかしゴールドスミスは、栄光の本質はそこにはないと言い切ります。

人間である以上、転ぶことは避けられません。大切なのは「転ばないこと」ではなく、「転ぶたびに膝をつき、また立ち上がること」なのだ、と。失敗そのものに価値があるわけではありません。しかし、失敗した後に再び前を向く行為のなかにこそ、人間としての真の輝き――「栄光(glory)」――が宿るというのです。

この考え方は、完璧主義に陥りやすい現代人にとって、とても大きな救いになります。失敗を恐れるあまり何も始められない状態から、「転んでもいい、また立てばいい」という心の柔軟さへ。この言葉は、そうした意識の転換をそっと後押ししてくれます。

私に贈るメッセージ

仕事で大きなミスをした日。人間関係がうまくいかず、自分を責めた夜。新しい挑戦がうまくいかず、もう諦めようと思った瞬間。そんなときに、この言葉を思い出してほしいのです。

あなたが転んだことは、あなたの価値を少しも損ないません。むしろ、転んだあとに涙を拭いて、もう一度立ち上がろうとするその姿にこそ、誰にも奪えない本物の強さがあります。

この名言が250年以上にわたって世界中の人々に愛され、孔子やエマーソン、マンデラといった偉人たちの言葉として語り継がれてきたこと自体が、この真理の普遍性を物語っています。時代も国も文化も超えて、「何度でも立ち上がる人間の姿」に人は心を動かされるのです。

今日が辛い日であっても、明日また立ち上がるあなたは、それだけで十分に尊い。どうかこの言葉を、心のお守りにしてください。

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