私に贈る言葉
夢を諦めるな、さもなければ夢があなたを諦めてしまう
ジョン・ウッドン(バスケットボールコーチ)
Don’t give up on your dreams, or your dreams will give up on you.
いつ、どんな場面で発言されたか
ジョン・ウッドン(1910〜2010)は、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)男子バスケットボール部のヘッドコーチとして、NCAA全米チャンピオンシップを12年間で10回制覇するという、スポーツ史上類を見ない偉業を成し遂げた人物です。「ウエストウッドの魔術師(Wizard of Westwood)」の異名で知られ、1975年に64歳で監督を退いた後も、99歳でこの世を去るまで、講演や著書を通じて人々に学び続けることの大切さを説き続けました。
この名言は、ウッドンが長年にわたって語り続けた数々の金言のひとつです。彼は現役コーチを引退してからも、35年もの間、人生の師として後進を導きました。自身が「引退後」にこそ最も精力的に活動し続けた人物だからこそ、夢を持ち続けることの意味をこれほど力強く語ることができたのでしょう。
言葉の意味
ウッドンのこの言葉は、一見シンプルですが、その奥には深い真理が横たわっています。
夢とは、目の前の勝ち負けのことではありません。ウッドンが定義した「成功」とは、他人との競争に勝つことではなく、「自分がなり得る最高の自分になるために全力を尽くしたと自覚できたときに生まれる心の平和」でした。つまり、夢を持つとは、自分自身の可能性を信じ、その実現に向かって歩み続けることそのものなのです。
そして「夢があなたを諦めてしまう」という後半の表現が、この名言を特別なものにしています。夢は、追いかけるのをやめた瞬間に、静かに消えてしまう。誰に奪われるのでもない、自分自身の手で手放してしまうのだ――ウッドンはそう警告しているのです。
年齢も、環境も、過去の失敗も関係ない。夢を持つことをやめない限り、私たちの人生はいつだって「現役」であり続けることができる。ウッドン自身が、コーチ引退後の人生でまさにそれを体現してみせました。
私に贈るメッセージ
日々の暮らしの中で、ふと「もう遅いのではないか」「自分には無理かもしれない」と感じることがあるかもしれません。仕事に疲れたとき、年齢を重ねて体力の衰えを感じたとき、若い頃に思い描いていた未来と現実のギャップに落ち込むとき。そんなとき、ウッドンのこの言葉を思い出してほしいのです。
ウッドンは99歳まで生き、その最晩年まで「学ぶことをやめたら、自分は終わりだ(If I am through learning, I am through.)」と語り続けました。コーチの椅子を離れた後も、彼は毎日のように手紙を書き、人を訪ね、本を読み、語りました。それは、勝利という夢が形を変え、「人の心に何かを残す」という新しい夢になったからです。
夢の形は、人生とともに変わっていい。大きな夢でなくてもいい。明日やりたいこと、来月挑戦したいこと、誰かに伝えたい言葉。そのささやかな「まだやりたいことがある」という気持ちこそが、人生を前に進める力になります。
あなたの夢を、どうか手放さないでください。夢を持ち続ける限り、あなたの人生に「終わり」はないのですから。
